左右で見える大きさが違う
片方の目で見た像が小さく見えることを小視症、大きく見えることを大視症といいます。
ただし注意点として、「小さく見える」「大きく見える」はあくまでも本人の左右の目の見え方の相対評価になりますので、実際には小さく見えていると感じていた目が正常で、反対の目で通常よりも大きく見えていたり、反対に大きく見えていると感じていた目が正常で、反対の目が通常よりも小さく見えているということがあります。
そのため左右で見える大きさが違う場合は、両目とも検査をして原因を特定していきます。
小視症について
小視症は、黄斑の病気を疑う必要があります。多くは歪んで見える変視症も伴います。
小視症を自覚する病気で有名なのが、中心性漿液性脈絡膜網症(ちゅうしんせいしょうえきせいみゃくらくもうまくしょう)です。
中心性漿液性脈絡膜網症は、網膜内の黄斑が剥離した状態です。
中年期の働き盛りの男性に多くみられ、ほとんどの場合は片眼性です。
漿液性網膜剥離は3ヶ月ほどで自然に治るケースが多く、比較的良好な経過をたどることが多い疾患ですが、なかには遷延したり再発するケースもあります。
中心性漿液性脈絡膜網症以外にも時に小視症を自覚する黄斑の病気があります。
以下の黄斑が剥離したり、むくむ病気は、ほとんど小視症を自覚することがあります。
- 加齢黄斑変性
- 黄斑前膜(黄斑上膜)
- 糖尿病黄斑浮腫
- 網膜静脈閉塞症に伴う黄斑浮腫
大視症について
大視症の原因としては、まずは黄斑前膜(上膜)が考えられます。
視力をつかさどる網膜の中心である黄斑の表面に膜が張り、その膜が絞り込むような力で黄斑を変形させ、分厚くなったり、皺がよったりします。
こうして黄斑が変形してしまうことで、ものが通常よりも大きく見える場合があります。
また、ものが大きく見える場合は脳などの中枢性の疾患が隠れている場合があります。
当院では必要に応じて、適切な医療機関への紹介も行わせていただきます。